2008年8月9日土曜日

子供のころ

初めて映画を見たのは今は亡き祖父に連れられて観に行った「ドラえもん のび太と恐竜」だった。祖父は、2歳だった自分はどうせ途中で寝てしまうだろうと思って連れて行ったようなのだが、最後まで大はしゃぎでみていたらしい。(当然のように全く記憶にない)

4歳くらいのときにやはり祖父が日本昔話の小さな絵本シリーズを全館買ってくれた。全50数巻、全ての昔話を何度も読んでもらったり、自分で呼んだ記憶がある。ページをめくる度にわくわくしていたのだろう。

小学校に入学したころだと思うが、やはり祖父が万有百科事典(写真入り)を全巻揃えてくれてた。分厚い辞書みたいなので「生物」「科学」「自然」「医療」とかテーマ別に分かれて20冊くらいあり、あらゆることに興味を持つきっかけとなったのは間違いない。

記憶は薄いが大切な思い出話のひとつひとつだ。

さて、なぜこんなことを唐突に書き始めたかといえば「崖の上のポニョ」を観てきたからに他ならない。

この作品に「テーマ(主題)」はない。テーマがないというと「え?」っと言う人がいるだろう。この話の中には溢れんばかりの子供への愛情があるからだ。
ただ「テーマ」と呼ぶに仰々し過ぎると思うのだ。

主人公の2人は5歳という設定。
年の割りにしっかりとした男の子のシュン。
自由奔放で人間になりたいポニョ。
性格は違えど、その2人に注がれる大人たちの愛情。

おそらく監督自身が、自分の孫を思うのと同様に、今現在の子供たちの純粋な気持ち、そしてただ漠然とある子供たちの将来を、物語の中で本気で愛し、本気で心配する。
ただただその一心で、主人公たちと同じくらいの子供が観て、ただただ単純に最後まで(←ここ重要)、面白かった!と分かることのできる幸せな人魚姫の物語を監督の妄想豊かに(?)展開している。

これをかっこつけて「テーマ」とは呼べないでしょ?

作画や表現に関しては、もう監督の過去を踏まえた集大成!
これでもかってくらいごっちゃまぜ。深読みすればハイジ、カリオストロ、ナウシカ、千と千尋、ジブリ美術館の短編映画の数々に至るまで。
そして一切の手抜きなし。はじめの10分はあきれるしかないほどの書込みだった。

全体を通して、絵本を1ページ1ページめくりながら、その挿絵の中で物語が動いているかのような感じがしたのだった。

親子もいいが、祖父母さんが孫たちを連れて観に行って欲しいと思う作品でした。すばらしい。

1 件のコメント:

emerald さんのコメント...

すてきなおじいさまですね~